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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

今しがた部屋にいる時も、ふいに電話がかかって女中の取次ぎで下へおりて行ったが、やがて部屋へ来て坐ったと思うと、間もなく廊下へ出て行き、しばらく帰って来ないので、庸三が胡散に思って出てみると、葉子は階段の降り口を偸むようにして、うろうろしているのだった。しかし庸三は別に気にも留めず、後で聞こうと思って、彼女の部屋へ帰って来るのを待って、一足先きに風呂に入ったのだったが、今それがふと心に浮かんだので、急いで着物を着て二階へ上がってみた。

すると部屋の入口が内廊下になっていて、座敷も小さい次の間つきであったが、葉子はどこにもいなかった。内廊下の壁に彼の帽子と外套が、間抜けな表情でぶらさがっているきりだった。

ちょうど女中が来合わせた。

「ちょっとそこまで行って来るとおっしゃって、そとへ出ていらしたばかりですよ。宅の庭下駄を突っかけて、番傘をお差しになって。」

「担がれたんだ。」

庸三は急いで外套を着た。

「そんなことないでしょうけれど。」女中も笑いながら送り出した。

明日の午後、庸三が史朗をつれて、再びその家を訪問してみると、マダムも出て来て、葉子が今朝傘と下駄を返しに来たが、清川も一緒だったことを告げた後に、葉子はその一夜のことをグロテスクな色に塗り立て、あの時雨の中を呼び出されて外へ出てみると、興奮しきった清川