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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁
松島は小菊の帰りが遅くなると、後口があるようなふうにして電話をかけ、そっと探りを入れてみたりすることもあり、少し怪しいと感づくと、帳場に居たたまらず、出先の家のまわりをうそうそ歩くことも珍しくなかった。
「夜店のステッキがまたじゃんじゃんするといけないから、貴女は早くお帰り。」
などと小菊は傍から言われ言われした。
痴話喧嘩のあとは、小菊も用事をつけるか、休業届を出すかして骨休めをした。
そのころになると、とっくに本郷の店も人に譲り、マダムの常子も春日町の借家を一軒立ち退かせ、そこで小綺麗に暮らしていたが、もう内輪同様になっているので、気が向くと松の家へ入りこみ、世間話に退屈を凌いだ。小菊も薄々知っていたが、松島も折にふれては機嫌取りに春日町を訪ねるらしく、芸者を抱える時に、ちょっと金を融通してもらったりしていた。前々からのはどうなっているのか、多分一旦は何ほどか返したと思うと、また借りたり、ややこしいことになっているので、常子も松島も明瞭なことは解らず、彼女もたまに返してもらえば、思わぬ株の配当でも貰ったような気がするのだった。
松島も次第に商売の骨もわかり、周旋屋の手に載せられるようなどじも踏まず、子供を使いまわすことにも、特得の才能が発見され、同業にも顔が利くようになった。