輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(七)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 330,262 字 · 662 頁
けれどなお、かさねて、ここで想起してほしい幾つかのことが遺っている。
そのときの探題襲撃は、見事、菊池方のやぶれに帰し、寂阿武時以下、一族郎党三百余人は、犬射ノ馬場で斬り死をとげ、じつに凄惨な全滅をみてしまったが、原因は一に、味方とたのんでいた者が、俄に、裏切りに出たことにあった。
それを、たれかといえば、
少弐ノ入道妙恵(貞経)
大友ノ入道具簡貞宗
の二人である。
以来、菊池党として、これこそ深い恨みでないはずはない。
ところが、時勢は急転した。
鎌倉幕府、執権高時、すべて昨日の覇府は地上から消えた。
余波はすぐ九州へもおよび、博多の地に過去十年余の業績と人柄を称えられていた九州探題の北条英時も、たちまち、四面楚歌の包囲中におかれ、鎌倉滅亡の日からいくばくもない、当年の五月二十五日、館に火をかけ、自害して果てた。
じつに、怪しいのは、こんなときにおける人のうごきで、先には、探題英時に与して、菊池寂阿を自滅させた少弐妙恵と大友の入道具簡も、こんどは、阿蘇、菊池の諸豪に伍して、共に、探題攻め包囲軍中にいたのである。――白楽天のことば――行路ノ難ハ山ニモアラズ水ニシモ非ズ、タダ人情反覆ノ間ニ在リ――という事実を人々は目のあたりに見たことだった。