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しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《私本太平記(四)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 229,324 字 · 458 頁

青空文庫

「評議は、まとまったのか」

「ご裁可さえ給われば、ただちに、諸大名へ、兵の割当てと、発向の日を、布令るばかりに相なっておりまする」

「征くのは、誰々か」

「まず、この二階堂道蘊、老いたりといえ、先陣のひとりに馳せのぼるつもりです」

「それから」

「ご一族では、阿曾ノ弾正少弼、名越遠江守、大仏陸奥守、伊具ノ右近大夫、長崎四郎左衛門」

「外様では」

「おまちください」

道蘊は、席次のつぎにいる工藤高景をかえりみて、代ってもらった。

やがて、武者所の軍簿から、動員される外様大名の名が、端から読みあげられて行った。高時の兎耳も、赤く透いて、はりつめた神経を、ぴんとみせる。

千葉ノ大介、宇都宮三河守、小山政朝、武田伊豆ノ三郎、小笠原彦五郎、土岐伯耆、芦名ノ判官、三浦若狭、千田太郎、城ノ大弐、結城七郎、小田の常陸ノ前司、長江弥六左衛門、長沼駿河守、渋谷遠江守、伊東前司、狩野七郎、宇佐美摂津ノ判官、安保の左衛門、南部次郎。

工藤は、ここでつけ加えた。

「なお、私も右の内に入る者でございまする」

「ほかには」

「甲斐、信濃の源氏。北陸七ヵ国の勢。――また西国では、安芸、長門、周防、四国の伊予にまでも、このたびは、お下知のまいらぬ国はありません」