輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(四)(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 229,324 字 · 458 頁
だからこの郷の里子のかたちで、これらのひとに哺育されてきた不知哉丸は、たとえそれが主君高氏の隠し子であるにせよ、よしまたその生母が、卑賤な田楽女であろうとも、やがては、宗家の世つぎにもなるべきおん曹司にはちがいないとして、
郷党の珠
のごとき愛しみと守りをささげられながら、ことし早や十一となっていたのであった。
といっても、半農半武士的な野性の中ではあるし、不知哉丸もとかく、ひよわい質だったので、なるべく陽なた臭くと、野馬や田舎童の群れのなかで、育てられてきていたのであった。けれど去年いらいは、一切、一色家の門の外へは遊びにも出さなかった。――この事情は一色家の当主と、藤夜叉と右馬介だけが知っていて、人は知らない。もちろん藤夜叉は、以来この家の奥に籠ったきりだった。
「いつも村はのどかですな」
右馬介は、わらじを脱ぐとすぐ、生家の大きな炉ノ間へ通った。そして太い黒光りのしている柱やら天井をなつかしげに見まわした。
めったに帰郷することはなく、稀れに帰って、老父の刑部にまみえるときは、いつもこうするのが癖のようであった。
「いや、ここらもそろそろ、のどかではなくなったわえ」