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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《南国太平記(なんごくたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 493,291 字 · 991 頁
益満は、前の硯函をとって、料紙へ
不逞浪人を募って
と、書いた。そして、人々の方へ廻した。益満の隣りにいた軽輩達が、微笑した。
「成る程」
と、いって、人々は、紙を、つぎつぎに廻した。
「よし、まず、第一に――」
名越は、こういって、同じように、紙に
牧を斬る
と、書いた。
「第二に、国許の同志と、相策応すること」
「御尤も」
「誰も、異論あるまいの」
国へ、使を出す事
「それには、仙波父子が、よろしゅうござりましょう」
「わしも、その肚でいるが――彼奴、何うしたか?」
雨は、小さくなったり、強くなったりして、風が交ってきた。庭の、竹藪が、ざわめいていた。
「それから――お由羅方の毒手を監視のため、典医、近侍、勝手方、雇女を見張る役が要るし、同志があれば此上とも加えること、斉彬公へ、一応、陰謀の話を進言すること、要路、上司へ、場合によっては、訴え出る用意をすべきこと――」
と、名越が、書きながら、話していた時、下の往来の泥濘路に、踏み乱れた足音がして
「名越殿」
と、叫ぶ者があった。
「仙波だ」
と、一人がいった。
「どうした、おそいでないか」
一人が、立上って、廊下へ出た。