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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《地名の研究(ちめいのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,308 字 · 347 頁
四 地名の発生
地名に限らず何か物の名を言うと、どんな字を書きますかと聞く人が、今でもざらにある。どんな字はたいていこの通り、皆やたらな字だったのである。我々はむしろ地名を見て、必ず何と訓みますかを訊ねなければならぬ。そうすれば誤りにもせよこれを用いた人の境遇が解り、従ってやや前代生活の一面が尋ねられる。それが日本に限られたる地名研究の興味の一つである。
四 地名の発生
地名の宛字・新字には珍しい話が多いが、それはしばらく後廻しにしておいて、まず根本の、地名はどうして発生するかの問題を考えてみよう。
地名が年代とともに、ほとんと人間の数に比例して、増加して行くのは事実であるが、研究として興味のあるのは、その過半が地名そのものから、おおよそ発生の時期を推測し得られることである。その理由の一つは命名者の棲息する社会状態の変化であり、第二には彼等の命名にはほぼ順序があって、甲乙に先だって丙丁とは命名し得ぬためであった。
地名を分類するのに最初に考えねばならぬのは、地点名と地区名との差別である。この二つは突差の用語だからもっと雅馴なものがあれば改めるが、つまり限界と面積とを持つ地名と、単にあのあたりと指していうのみで、詳しく尋ねるとどこで終りになるかの不確かな地名とである。