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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《地名の研究(ちめいのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,308 字 · 347 頁
五二 破魔射場という地名
その橋材の両端のツツラを通す穴の穿り方は、筏の材木の穴と同じであるらしいが、これも鉄線を代用する時代が来たらどう変るか分らぬ。トロまたは長トロなどいう地名も筏流しに始まった語かと思う。すなわち川水の緩流する部分のことで、水路を急ぐ者にはちょうど陸路の坂峠に当り、一夜を休息せんとするものにはまたあたかも、峠の茶屋あるいは坂元の宿に当るので、決して瀞八丁などと風景の詮議をする閑人の命名ではなく、実際生活と交渉があるので名ができたものである。
五二 破魔射場という地名
この地名は奥州から中国にわたって無数にあるが、まずその中から破魔射場の文字を宛てた者のみを挙げてみる。
常陸多賀郡黒前村大字黒坂字破魔射場
三河八名郡七郷村大字名号字破魔射場
伊勢鈴鹿郡関町大字新所字破魔射場
同 同 亀山町大字亀山東町字破魔弓場
美作真庭郡美和村大字樫東字鳴ノ殖小字破魔場
石見美濃郡豊田村大字安富(小保賀)字破魔射場
同 鹿足郡青原村大字柳字破魔射場
このほかにハマイバと仮名で書いた例ははなはだ多いが、それよりもさらに多いのは浜井場の文字である。これは従来の片仮名に字を当てる時に最も考え付きやすい。