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ちめいのけんきゅう

地名の研究

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《地名の研究(ちめいのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,308 字 · 347 頁

青空文庫

享保はおそらくは東村上分がさらに東西に分れた年代であろう。新野東村下分は一名を工門という。すなわち公文名である。新野西分はすでに慶安四年に上中下の三つに分れておる。かくのごとく徳川の末頃には昔の新野荘は十の村となり、十人の庄屋がこれを支配し、三人の地頭の領地に分属していた。今の町村では二村にわたり、八つの大字である。新野東上分・新野東上西分及び新野東下分は合して一大字となり、ずっと古い時代の状態に復している。

次に久米郡稲岡の二ヶ村はまた昔の稲岡荘の地である。この荘は最初南北の二荘に分れた。後に北荘は里方と山方の二つに分れ、北荘山手村は承応元年に北荘山手上村・北荘山手下村と分れ、南荘の方は元禄二年に南荘西村及び南荘東村の二つになり、結局五ヶ村であったが、新町村となって二村三大字すなわち承応以前の状態に復したのである。全体この国では郡もだんだん分立して近年までは久米郡が二つ、苫田郡が四つ、勝田郡が二つというように小さく分れていたが、荘郷分合の趨勢もすべてこれと同様であってその命名法のごときもきわめて自然である。最後に今一つの例を附録として添えておく。