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ちめいのけんきゅう

地名の研究

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《地名の研究(ちめいのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,308 字 · 347 頁

青空文庫

津軽では我々のいう天狗の巣、すなわち桜などの老木が病のために、畸形の枝ぶりを示すものをもヒョウといい、必ずしも寄生だけには限っておらぬ。山に入る人はよく知っているだろうが、天然の樹木の少しでも常の形と異なるものは、すぐにこれを山の神の所為に帰して手を触れぬのみならず、またいろいろの解釈を付与していた。たとえば藤などのからんで捻じれたもの、幹が二股に分れて末で合ったもの、または隣の木と接合したものなどには、たいていは特別の名があって、これを目標にもすれば地名にもした。山の神の木算えと称して、山に入ってはならぬという日に、禁を犯して入った者が、山の神に捻じられて捻じれ木になったという話もある。山中の境などは以前はそう明確なものでなかったから、この類の特殊な樹があればこれにより、嶺通り・水分れに何か異常の木があれば、他の木は伐り払ってもそれを保存し、なお必要があればさらに積極的に、他日の標木になるように、一定の計画の下にそのような木を育成した。二本松・三本松という類の相生の木が、永く地名となって残るのはもと目的があったからで、その一半は特に将来を期して栽えたものらしい。