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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《地名の研究(ちめいのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,308 字 · 347 頁
古い意味の寺の境内もまた堀之内と呼ばれた。たとえば下総国府台総寧寺の天正三年の制札に「一つ寺中の堀之内陣取るべからざる事」とある(嘉陵紀行二編三)。神奈川近傍の某村の古図に、寺の領地の周囲を堀をもって繞らしたものが、これも『新風土記』に載っている。弓は袋の世の中となれば、単に地境の標識としてはまことに地面の不経済であることを皆感じて、堀を埋めまたは潰れるに任せておいて後に水田に編入し、ついには後世の思想によって狭い館址ばかりの地名と考うるに至った。下野下都賀郡小野寺村の字堀之内は古城跡の地名である。『古河志』巻下に「昔の構の堀と見ゆるは今水田にて堀之内はことごとく畠なり」とあるが、田も作れる地方であったなら畠ばかりを囲い込むはずがないから、これも今少し遠方に境堀の跡を覓むべきである。日向諸県郡沖水村大字郡元の字堀之内は、島津荘の中央に位し堀之内御所の名も残り、藩祖忠久の居住地であったという。『山田聖栄自記』に「島津御荘と申すは日州庄内三ヶ国を懐ける在所とて、庄内島津庄南郷の内、御住所堀之内に御作りあり御座候訖ぬ」と書いている。地頭手作の地として、特に区域内にまた事々しい堀を構えたのは、もちろん他の一方に用心堀の意味もあろうが、とにかく多くの堀ノ内が村をなしているのを見ても明らかなるごとく、これをただちに