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ちめいのけんきゅう
地名の研究
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《地名の研究(ちめいのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 176,308 字 · 347 頁
そうしてそれに一々の地名があったゆえに、今日の字の地名にもこれを承継したものが段々あるのである。昔の開墾では右の小区劃を多くはミョウまたはナ(名)といった。始めての原野に入り込んで開発する者は、名の区劃地に一々当てるだけの在来の地名を知らぬから、しばしば下受開墾人の名乗をその地名に用い、国光名、利光名、徳富名、五郎丸名などとした。今日人名のような村名のあるのは昔の名が一村になったもので、後にその地に住んだ名主はまたその居住地名を家号にしたために、人の名乗のような苗字ができたのである。広い荘園では一名が今の一村にもなったが、通例は今少し狭く一人の武士が下受開墾をする区域は、馬の二頭に家来の十二三人も養えれば良いのであるから、多くは十町歩内外、ちょうど今日の字の少し大きいくらいのものであったろうと思う。近世の武士はなかなかそんなことで生活はできなかったのだが、戦国時代には田地の二百町もあれば大名で、何十人という武士と何百人という足軽とを養っていた。もっとも飛び飛びに二名三名を持つ者も多かったが、一つの名は西国地方などではごく小さなものであったとみえる。