輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

が、その女は何者である乎、現在何処にいる乎と、切込んで質問すると、「唯の通り一遍の知り合いだからマダ発表する時期にならない、」とばかりで明言しなかった。が、「一見して気象に惚れ込んだ、共に人生を語るに足ると信じたのだ、」と深く思込んだ気色だった。

折々――というよりは煩さく、多分下宿屋の女中であったろう、十二階下とでもいいそうな真白に塗り立てた女が現われて来て、茶を汲んだり炭をついだりしながら媚かしい容子をして、何か調戯われて見たそうにモジモジしていた。沈毅な二葉亭の重々しい音声と、こうした真剣な話に伴うシンミリした気分とに極めて不調和な下司な女の軽い上調子が虫唾が走るほど堪らなく不愉快だった。

十二時近くこの白粉の女が来て、「最う臥せりますからお床を伸べましょうか、」といった。遅いとは思ったが、初めて時間に気が付いて急いで座を起とうとすると、尚だ余談が尽きないから泊って行けといいつつ、「お客様の床も持って来てくれ」と吩咐けた。

二葉亭は談話が上手でもあったしかつ好きでもあった。が、この晩ぐらい興奮した事は珍らしかった。更ければ更けるほど益々身が入って、今ではその咄の大部分を忘れてしまったが、平日の冷やかな科学的批判とは全く違ったシンミリした人情の機微に入った話をした。