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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

四 『あいびき』及び『めぐりあい』

が、各々独立した箇々の作として見ても現代屈指の名作たるを少しも妨げない。強て評価すれば、第一編はマダ未熟であり、第三編は脂が抜けて少しくタルミがあるが、第二編に到っては全部が緊張していて、一語々々が活き活きと生動しておる。未成品であっても明治の文学史に燦爛たる頁を作るエポック・メーキングの名著である。

四 『あいびき』及び『めぐりあい』

丁度同時代であった。徳富蘇峰は『将来之日本』を挈げて故山から上って帝都の論壇に突入し、続いて『国民之友』を創刊して文名隆々天下を圧する勢いがあった。当時の青年は皆その風を望んで蘇峰に傾倒し、『国民之友』は殆んど天下の思想界に号令する観があった。二葉亭もまた蘇峰が高調した平民主義に共鳴し、臂を把って共に語る友と思込んで、辞を低うし礼を尽して蘇峰を往訪した。が、熱烈なる天才肌の二葉亭と冷静なる政治家気質の蘇峰と相契合するには余りに距離があり過ぎたから、応酬接見数回を重ねた後はイツとなく疎遠となってしまった。が、天下の英才を集めて『国民之友』を賑わすのを片時も怠らなかった蘇峰はこの間に二葉亭のツルゲーネフの飜訳を紙面に紹介して読書界の耳目を聳動した。