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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

十四 露国の亡命客及びダンチェンコ

左に右く終に一回もこの自信ある手腕を試みる機会を与える事が出来ずにしまったのは、二葉亭自身の一生の恨事であったのみならず、二葉亭の知友としてもまた頗る遺憾であった。

十四 露国の亡命客及びダンチェンコ

その頃波蘭の革命党員ピルスウツキーという男が日本へ逃げて来て二葉亭を訪ねて来た。その外にも二葉亭を頼って来た露国の虚無党亡命客が二、三人あった。二葉亭は渠らのために斡旋してあるいは思想上多少の連絡ある人士または政界の名士に紹介したり、あるいは渠らが長崎で発行する露文の機関雑誌を助成したり、渠らの資金を調達するために布哇の耕地の買手を捜したり、あるいは文芸上の連絡を目的とする日波協会の設立を計画したりして渠らのために種々奔走をした。二葉亭はかつてヘルチェンやビェリンスキーに傾倒して虚無党思想についての多少の興味をも持っていたから、帝国主義を懐抱して日本の膨脹を夢見つつも頭の隅の何処かで渠らと契合していたかも知れぬが、それ以外に渠らを利用して国際的芝居を一と幕出そうとする野心が内々あったらしい。その頃北京時代の友人阿部精二へ送った手紙に、「西伯利より露国革命派続々逃込み、中には東京へ来るものも有之候故、これらを相手に一と仕事と出懸けし処、相手がまるでお坊ちやんにて話にならず、たうとう骨折損となりたり、今も革命派