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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁
二 『我楽多文庫』
これを知ったのはそれより二、三年後であって、アレが思案外史かと知った時は唖然として、道理こそ都々逸に精しい人であると思った。
思案外史はその頃中坂から一丁半ばかり、富士見町の裁判所の横手の、今は暁星中学校の構内に囲込まれた処に住んでいたから、中坂というは少し無理だが、馬琴がしばしば飯台蓑笠漁隠と称した如くに飯台を戴く因縁は持っていたのだ。
二 『我楽多文庫』
思案外史の巻頭の辞を首途の祝言として鹿島立した『我楽多文庫』は四六倍判十六頁の表紙なしの畳放しで、今は廃れてるがその頃流行った清朝活字の四号刷であった。無装飾のスッキリした、少しも体裁を飾らない、微塵も忌味ッ気がない江戸前の雑誌であって、正札附金三銅が貧乏書生に取っては殊に嬉しかった。
一日絵双紙屋の店を覗かないと気持が悪るかった私は、文庫が店頭に列んだ当日早速買って来た。全部に若々しい生気が滔れていたのは何となく共鳴を感じたが、世間を一向知らない私は前にもいう通りこういうものを書く人は皆世の中の酸いも甘いも噛分けた中年以上の通人だとばかり漠然と思って、我々同年配の青年の団体とは少しも想像しなかった。