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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

不思議な事には美妙と二葉亭とは親たちが同じ役所の同僚であって、児供の時からの朋友であった。尤も竹馬の友というだけで、中ごろは交際が絶え、相談したのでも申合わしたのでもなかったが、相期せずして幼友達同士のこの二人が言文一致体を創めたというは頗る不思議な因縁であった。尤もこれより以前、漢字廃止を高調した仮名の会の創立当時から言文一致は識者の間に主張され、極めて簡単な記事文や論説を言文一致で試みた者もあった。同時にこれより三、四年前に発明された速記術がその頃漸く実際に応用されて若林蔵の速記した円朝の『牡丹燈籠』が出版されて活きた口話の実例を示したのが俄に言文一致の機運を早めたのは争えない。美妙も二葉亭もこの円朝の口話の速記に負う処が多かったのは想像するに余りがある。明治の文章史を作る者は円朝の『牡丹燈籠』と速記者若林※(「王+甘」、第4水準2-80-65)蔵の功労とを無視する事は出来ない。

かつまた美妙と二葉亭との文体は等しく言文一致であっても著るしい語系の差異がある。美妙は本とが韻文家であって韻語に長じ、兼ねて戯文の才があったから、それだけ従来の国文型が抜け切れない処があった。