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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

第一、実業家の金儲けは金を儲けるための金儲けであって、金を以て始まり金を以て終るが、二葉亭の金儲けは何時でも人道または国家の背景を背負っているのが不用意の座談の中にも現われていたから、実業界に飛込むマジメな志はあっても対手になって機会を与えてくれるものは一人もなかった。

加之ならず、一方には生活上拠ろなしに続々翻訳し、心にもない文学上の談話が度々雑誌に載せられて文名が日に益々高くなるので実業界の友人からはいよいよ文人扱いされ、マジメに実業談を試みても一笑に附されてしまった。「小説なんぞを書いてちゃアとても駄目だ、全で対手にしてくれない、」と度々不平を洩らしていた。

二葉亭を海軍編修書記に推薦したはやはり旧友の一人たる鈴木某(その頃海軍主計大監)の斡旋であった。鈴木は極めて粗放な軍人肌であって、二葉亭の人物や抱負を理解もしなければ理解しようとも思わず、ただ二葉亭が浪人しているのを気の毒がって斡旋してくれたので、「丁度君には適当の位置だ。こうして辛抱していれば追々高等官になれる、」と大いに兄貴ぶりを発揮して二葉亭に辛抱を勧告した。

「親切な好い男だが、高等官になれば誰でも満足するものと思ってる、」