輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

三山は墓標に揮毫するに方って幾度も筆を措いて躊躇した。この二葉亭四迷は故人の最も憎める名であった。この名を墓標に勒するは故人の本意でないかも知れぬので、三山は筆を持って暫らく沈吟したが、シカモこの名は日本の文学史に永久に朽ちざる輝きである。二葉亭は果して自ら任ずる如き実行の経綸家であった乎否かは永久の謎としても、自ら屑よしとしない文学を以てすらもなおかつかくの如く永久朽ちざる事業を残したというは一層故人の材幹と功績の偉なるを伝うるに足るだろう。と、三山は終に意を決して二葉亭四迷と勒した。

以上はただ一生の輪廓を描いたに過ぎないが、人物と思想とは特に剖析細究しないでもほぼ知る事が出来よう。文人としての二葉亭の位置の如何なるやは暫らく世間の判断に任すとしても明治の文壇に類の少ない飛離れた人物であったはこの白描のデッサンを見てもおおよそ推測られよう。文人乎、非文人乎、英雄乎、俗人乎、二葉亭は終にその全人格を他にも自分にも明白に示さないで、あたかも彗星の如く不思議の光芒を残しつつ倏忽として去ってしまった。渠は小説家でなかったかも知れないが、渠れ自身の一生は実に小説であった。