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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

何といっても日本の最高学府たる帝国大学に対しては民間私学は顔色なき中に優に大学と拮抗して覇を立つるに足るは実業における三田と文学における早稲田とで、この早稲田の文学をしてシカク威力あらしめたるは一に坪内君の功労である。文部大臣が三君の中先ず第一に坪内君を擢んで報ゆるに博士の学位を以てしたのは推薦者たる大学もまた坪内君の功労を認めざるを得なかったのであろう。下らぬ比較をするようだが、この三君を維新の三傑に比べたなら高田君は大久保甲東で、天野君は木戸である。大西郷の役廻りはドウシテモ坪内君に向けなければならぬ。坪内君がいなかったら早稲田は決して今日の隆盛を見なかったであろう。

文芸協会の成功は更に一層明白な事実である。腹蔵なくいえば文芸協会の芝居がそれほど立派なものだとは思わぬ。少くも見物してそれほど面白いとも思わぬ。沙翁劇にしろイブセンにしろ、本を読んだ時に与えられた以上の印象を受けたという事は出来ぬ。私は坪内君が諛辞を好む人でない事を知ってるから少しも憚らずに直言する。シカシ世間に与えた感動は非常なもので、大多数は尽くヒプノタイズされてしまって、紅隈の団十郎が大眼玉を剥いたのでなければ承知出来ぬ連中までが「チンプンカンで面白くねェ、馬鹿にしてやがる」