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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

線上閱讀内田 魯庵《新編 思い出す人々(ふたばていよだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 頁

青空文庫

先年侯井上が薨去した時、当年の弾劾者たる学堂法相の著書『経世偉勲』が再刊されたのは皮肉であった。『経世偉勲』の発行されたのはあたかも侯井上の欧化政策時代であって、その頃学堂はジスレリーに私淑しているという評判だった。が、政治家としての尾崎は相応に見識があったろうが、ジスレリーを私淑するには学堂の文藻は余りに貧しかった。尤も日本の政治家に漢詩以外の文学の造詣あるものは殆んどなかったが、その頃政治家が頻りと小説を作る流行があって、学堂もまた『新日本』という小説染みたものを著わした。余り評判にもならなかったが、那翁三世が幕府の遣使栗本に兵力を貸そうと提議した顛末を夢物語風に書いたもので、文章は乾枯びていたが月並な翻訳伝記の『経世偉勲』よりも面白く読まれた。『経世偉勲』は実は再び世間に顔を出すほどの著述ではないが、ジスレリーの夢が漸く実現された時、その実余人の抄略したものを尾崎行雄自著と頗る御念の入った銘を打って、さも新らしい著述であるかのように再刊されたのは、腕白時代の書初めが麗々しく表装されて床の間に掛けられるようなもんだ。学堂居士に取っては得意でもあろうが擽ぐったくもあろう。