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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁

青空文庫

プーンと酒が臭い。

「どじょうになったな。何の用じゃ」

「えッへへへへ、どうもね、この通り般若湯ですっかり骨までも軟かくなったんで、うれしまぎれに御殿様の御容子を拝見に参ったんでござんす。一件の女的はばれましたかい」

「見失うたゆえ、探しているのよ」

「顔に似合わず素ばしッこかったからね。どッかへ隠れてとぐろを巻いているんでしょうよ。いえ、なにね、それならそれでまた工夫もあると言うもんでござんす。実は今あの通りね、ほら、あそこの経堂のきわに大連の御講中が練り込んで来ておりますね。何でもありゃお江戸日本橋の御講中だとかいう話なんだ。日本橋と言えば土一升金一升と言う位なんだからね、きっとお金持ち揃いに違えねえんですよ。だから、今夜あの連中がお籠り堂へ籠ったところを狙って、こんな晩に大稼ぎとあの女的がお出ましになるに違えねえからね、どうでござんす。智慧はねえが力技は自慢のあッしなんだ。どじょうにして頂いたお礼心にね、あっしもお手伝いしたって構わねえんだが、殿様も旅のお慰みにお籠りなさって、化けて出たところを野郎とばかり、その眉間の傷でとッちめなすっちゃどうですかい」