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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁
「申したか! ウッフフ、とうとう伝家の宝刀を抜きおったな! 今に五万石を小出しにするであろうと待っていたのじゃ。よいよい、信徒を荒し霊地を荒す鼠賊めを、霊地を預かり信徒を預かる院代が匿もうて、五万石の寺格が立つと申さるるならば、久方ぶりに篠崎流の軍学大出し致してつかわそうぞ。あれなる女はいずれへ逃げ落ちようと、御僧がこれを匿もうた上は、御身が詮議の対手じゃ、法華信徒一同になり代って、早乙女主水之介ゆるゆる詮議致してつかわそうわ。今から覚悟しておかっしゃい。いかい御やかましゅうござった」
無念だが仕方がない。胆を以て、腕を以て、あの向う傷に物を言わせて、力ずくにこれを押し破ったならば破って破れないことはないが、そのため怪我人を出し、血を見るような事になったら、他の猪勇に逸る旗本なら格別、わが早乙女主水之介には出来ないのです。霊地を穢すその狼藉が、わが退屈男の気性気ッ腑として出来ないのです。ましてや対手は代役ながら、治外の権力ともいうべき俗人不犯の寺格を預かっている寺僧でした。これが僧衣の陰に隠して、飽くまでも匿まおうと言うなら、まことに篠崎流の軍学以外にひと泡吹かする途はない。