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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁

青空文庫

可愛がると申さば泊ってつかわすぞ」

「えへへ。御笑談で……。御縁がありましたらどうぞ。――あのもスもス! 商人衆!」

対手にもせずに退屈男を鼻であしらっておいて、碌でもなさそうな商人達が通りかかったのを見かけると、

「お泊りはいかがでござります。堅いがズ慢の宿でござります。御相宿なら半値に致スまするがいかがでござりまする」

しきりと慇懃に揉み手をしながら、天下の御直参もまるで眼中にないもののような容子でした。

「わははは。言葉もズウズウで少し人間放れが致しておるが、旅籠もちと浮世放れ致しおる喃。いやよいわよいわ。泊めぬと申すなら泊める家まで参ろうぞ。――これよ。そちらの町人! 西田屋の番頭!」

襟に西田屋と染めぬいた隣りの客引きを鷹揚にさし招くと、これもまた一興というように打ち笑みながら呼びかけました。

「そちのところも身共ばかりには、色目一つ使わぬようじゃが、やはり泊めぬと申すか。泊めて見ればこのお客、なかなかによい味が致すぞ。どうじゃ。いち夜泊めて見るか」

「いえ、あの、御勘弁下さいまし。滅相もござりませぬ。どうぞこの次に願いとうござります」

「異なことを申す奴等じゃ喃。