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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁

青空文庫

だが、やがてのことに帰って来た姿を見ると、怪訝そうに首をかしげているのです。

「見かけざったか」

「ハッ。いかにも不思議でござります。ご存じのように道は、遠山三之進様の御屋敷まで真ッ直ぐに築地つづき、ほかに曲るところもそれるところもござりませぬのに、皆目姿が見えませぬ。念のためにと存じまして、裏へも廻り、横堀筋をずッと見検べましたが、ひと影はおろか小舟の影もござりませぬ」

「のう! ……。参ったからには足がないという筈はあるまい。ちとこれはまた退屈払いが出来るかな。その菓子、二折とも開けてみい」

恐る恐る開けて見ると、しかしこれが二つともに見事な品でした。――源七からの贈り物は、桔梗屋の玉だれ。

誰袖からの品もまた、江戸に名代の雨宮の干菓子です。

「ほほう、いよいよ不審よのう。二品ともにみな主水之介の大好物ばかりじゃ。身共の好物知って贈ったとは、幽霊なかなか話せるぞ。それだけに気にかかる。京弥、何時頃じゃ」

「四ツ少し手前でござります」

「先刻、土左船がたしか京橋花園小路の糸屋だとか申したな」

「はッ。間違いなく手前もそのように聞きましてござります」

「ちと遅いが、すておけぬ。