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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁

青空文庫

まことにさすがは退屈男、趣向も直参らしく豪奢きわまりない趣向であるが、人の選み方もまた巧みに人情の急所を衝いて、目のつけどころが違うのです。

やがてのことに座敷へ導かれて来たのは、いずれも一風ありげなその四人でした。

「来たか。来たか。遠慮は要らぬぞ。勝手に膝をくずしてずっと並べ。その方共とてあの建札眺めて参ったからには、小判がほしゅうての事であろうが、なにゆえ拾わざった」

「………」

「怕いことはない。念のためにきくのじゃ。遠慮のう言うてみい。さだめし咽喉から手が出おったろうに、なにゆえ拾わざったぞ」

「あさましいあの有様を眺めましたら、急に情なくなりましたんで、ぼんやりと見ていたんでごぜえます」

「やはりそうであったか。なかなかにうれしい気性の奴等じゃ。そこを見込んでちと頼みたいことがあるゆえ、先ず名をきいておこうぞ。いずれあの建札知って参ったからには、それぞれ得手がある筈、右の奴は何と申す名前の何が得手じゃ」

「大工の東五郎と申しやす。少しばかり足の早いが自慢でごぜえます」

「ほほうのう。大工ならば足なぞ早うのうても役に立つ筈なのに、人一倍早いと申すか。