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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁
探り先は二万四千石城持ち、赤坂溜池際に屋敷を頂戴致しおる遠藤主計頭じゃが、大工と鳶なら近よる手段もあろうし、よしまた近寄ることが出来ずとも、お抱えお出入りの鳶、大工があろうゆえ、少しく智慧を働かしなば、屋敷の秘密なにくれとのう雑作なく嗅ぎ出せるというものじゃ。床新と人好し長次両名はまたその足で三ツ扇屋へ参り、なにかと詳しゅう探ってな、別して新吉は世事に通じておるが自慢とのことゆえ、人の話、世間の噂、ぬからずに、――のう分ったか! 事は急じゃ。早う行けい!」
「なるほど! 御名物の御殿様ゆえ、只の御酔狂ではあるまいと思いましたが、いや、変ったお頼みでごぜえます。そういうことは大の好き、折角お目鑑に叶ったものをヘマしちゃならねえ。じゃ、兄弟! ひとッ走りにいって来ようぜ」
「合点だ! 支度しな!」
四人ともに粒が揃っているのです。イナセ早気の鳶の者七五郎にせき立てられて、江戸の底に育ち、底を歩き、底を泳ぐが達者の四人は、その場に命ぜられた町々へ飛び出しました。
「小気味のよい者共じゃ。篠崎流の軍書にも見えぬ智慧才覚じゃが、あれに気がつくとは主水之介の眉間傷もまだ錆びぬかのう。