輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁

青空文庫

誰も要らぬと見ゆるな。では、折角じゃ。只で頂いては痛み入るが頂戴するぞ」

ずいずいと近寄りながら、鐺で錠を手もなく叩きこわして、さッと蓋をはねのけました。同時に長持の中から、くくされた身体をよろめくように起して、声を合わせながら叫んだのはまぎれもなく誰袖源七のふたりです。

「お殿様でござりましたか!」

「早乙女の御前様でありんすか!」

「ありがとうござります! ようこそ、ようこそお救い下さりました。ありがとうござります。命の御恩人でござります」

「ウフフ。そんなにうれしいか。生きておって仕合わせよのう。身共もうれしいぞ。まだ賞玩せぬが、ゆうべはけっこうな菓子折、散財かけて済まなかった。早う出い。――京弥々々」

馳けつけて、何ぞ御用は、というように手ぐすね引いていたのを見眺めると、咄嗟に命じました。

「空長持送り返すも風情がない故、五六匹、主計頭に土産届けようぞ。ぼんやり致してふるえおるその者共、早う眠らせい」

自らもさッと躍り入ると、パタパタと三人を峰打ち。京弥の当て身に倒れた二人も交えて、ひと束にしながら長持の中へ投げ込むと、事もなげに言ったことです。

「美しい幽霊共じゃ。