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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《旗本退屈男(はたもとたいくつおとこ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 240,656 字 · 478 頁

青空文庫

「おいおい。ちょっとまてッ」

「へえへえ、毎度ありがとうござりやす」

「白っぱくれたこと言うな。大切な髪をこわして、毎度ありがとうござりやすとは何だよ。貴様、たいこだな」

「左様で。何かそそうを致しましたかい」

「これをみろ。この髪のこわれた奴が分らねえのかよ」

「なるほど。ちっとこわれましたね、しかし、こういう大入り繁昌の人込みなんだからね。こわれてわるい髪なら、兜でもやっていらっしゃることですよ」

「なに! 跨いで通るってことがそもそも間違っているんだ。詑りもしねえでその言い草は何だよ」

「何だ! 何だ!」

声と一緒に、そのときどやどやと立ち上がって、花道向うの鶉から飛び出して来たのは、六人ばかりのいかつい大小腰にした木綿袴のひと組です。たいこもちとは同じ連れか、でなくば見知り越しらしい話工合でした。

「何じゃ。三平。こやつら何をしたのじゃ」

「いいえなに、このおめかしさんの髪へ触ったとか触らないとか言ってね。大層もないお叱りをうけましたんで、ちょっとわびを言ったら、そのわびの言い草が気に入らないというんですよ」

「文句を言ったは貴様等か!」

「何でござんす」

ひょいと見あげた梅甫の目と小芳の目とが、なにげなくうしろの鶉へ向けられると一緒に、