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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
ものを取上げて、いちいち、それに対するぼくの感想をつけ加えたが、いまみると、この五十けん弱の店のうち、たしかにいま残っていると思われるものは、十けんほどしかない。大正九年といまとでは、その間に、四十年近くの年月は挟まっているし、その上、震災はあったし、戦争はあったしだから、ムリもないとは思うが、その十けんほどほどいう中には、蕎麦屋の“藪”、汁粉屋の“秋茂登”“梅園”が入っているのである。……という意味は、それほど、多くの店がすがたを消したと、ぼくは嘆くのである。性立った店としては、だから、料理屋で、草津、一直、鰻屋で、前川、天麩羅屋で、中清、大黒屋、牛屋で、松喜、ちんや、今半、鮨屋で、みやこ、すし清、……それだけである。鳥屋の金田、鰻屋のやっこがあるが、代もかわれば、従って、内容もかわった。(尤も、金田のほうは、以前の主人が、最近公園裏で、“本金田”というものをはじめた)宇治の里は、仲見世裏から区役所横町に移って、昔日のおもかげをとどめない。そして、洋食屋と支那料理屋にいたっては、ああ、何んと、一けんも残っていない……
六
河竹繁俊さんの『黙阿弥襍記』