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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
ある。そして、それが、仲見世の名物になっていたのである。……“紅梅焼やのねェさんで、タスキがけで焼いている”という、たとえばヤキモチやきの細君をでもからかう洒落さえできた位の、なかでも、お梅さんという従業員に、なみなみならず人気のあつまったことを、いまでも、ぼくはおぼえている。……勿論、美人だったからである……
唐辛子屋は、雷門を入って、十間と行かない、左っ側にあった。いつも、七十恰好の、小さく、ちまちまとした恰好のおばァさんが、店番をしていた。……このおばァさん、大へんな慈善好きで、ちッとでもあわれな記事が新聞にでると、すぐにその新聞に托し、義捐金をだすので有名だった。……そのおばァさんは死んだにしても、あれほど売込んだ……という感じの、根のすわった、ゆるぎない店が、戦後、どうして止めてしまったのだろう?……この店と、もう一けん、数珠屋の店のなくなったことが、新仲見世にさそわれて、何かとけばけばしくなった仲見世を、一トしお、湿いのないものにした。
それにしても『東京案内』の、荒沢不動と、ぬれ仏と、汁粉屋の秋茂登とを逸したのはなぜだろう?……どれも仲見世の歴史を語るうえに欠くことのできないものの、さらに、それが、ぼくのまえに、どんないま表情を示しているか?