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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
――尤も、このうち田村とし子氏は七八年前にアメリカへ行ったなりになっている。「蓋し浅草区は、世のいはゆる、政治家、学者、或は一般に称してハイカラ流の徒なるものがその住所を定むるもの少し、今日知名の政治家を物色して浅草に何人かある。幾人の博士、幾人の学士、はた官吏がこの区内に住めるか、思ふにかかる江戸趣味及び江戸ッ子気質の破壊者が浅草区内に少きはむしろ喜ぶべき現象ならずや。今日において、徳川氏三百年の泰平治下に養はれたる特長を、四民和楽の間に求めんとせば、浅草区をおきてこれなきなり」と前記『浅草繁昌記』の著者はいっている。その著者のそういうのは、官吏だの、学者だの、教育家だの、政治家だの、実業家だのというものはみんな地方人の立身したもので、いくら学問や財産やすぐれた手腕はあっても、その肌合や趣味になるとからきし低級でお話にならないというのである。「紳士にして『お茶碗』と『お椀』との区別を知らず、富豪にして『清元』と『長唄』とを混同し『歌沢』『新内』の生粋を解せずして、薩摩琵琶浪花節の露骨を喜び、旧劇の渋味をあざけりて壮俳の浅薄を賞す」といろいろそういったうえ「かくの如きはたゞ見易き一例にすぎずして、家屋住宅の好みより衣服の選択など、形式上のすべてがいはゆる江戸趣味と背馳するもの挙げて数ふべからず」