輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
「お酉さまの帰りといえば、だまってむかしは大金だったもんだがなァ」
と、おなじわたしの連れの一人はすぐそれに同じた。
「あのうちさえあればいさくさはないんだ」
……というのはいうまでもなく田圃の「大金亭」のことである。公園裏にあったあの古い鳥料理屋のことである。もと浅草五けん茶屋の一つ、黒い塀をたかだかと贅沢にめぐらした、矮柏が影のしずかに澄んだやや深い入口への、敷石のつねに清く打水に濡れていたその表構えについてだけいっても、わたしたちは「古い浅草の黄昏のようなみやびとおちつき」とを容易にそこにみ出すことが出来たのである。一ト口にいえば江戸前の普請、江戸前の客扱い、瀟洒な、素直な、一トすじな、そうしたけれんというものの、すべてのうえに、それこそ兎の毛でついたほどもみ出すことの出来なかったそのうちの心意気は、空気は、どういう階級の、どういう育ちの人たちをでも悦喜させた。そうしたうちをもつことを「浅草」のほこりとさえわたしは思った。――が、惜しくも震災でそのうちは焼けた。――そのままそのうちはわたしたちの前からすがたを消した。――古くいたそこの女中の一人に、その後、築地の「八百善」