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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
線上閱讀久保田 万太郎《浅草風土記(あさくさふどき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 162,294 字 · 318 頁
でなく「三百六十八番地」だった。しかもそこなら、先刻から、その十番違いをうらめしくながめながらわたしたち幾たびとなく無駄にそのまえを行ったり来たりしていたのである。――全く私たちは失望した……
と、急に、わたしたちのもう一人の連れのすがたがそのときみえなくなった。どこへ行ったかと思っていると、すぐそばの煎餅屋の店から出て来た。その人の機転がそのあたりでの最も古い居住者をその人に訊き出させたのである。それによると、そのあたりで、二けんある酒屋のどっちかが最も古いとされているということだった。そこで手分けして、その一人は最初にわたしたちが掲示板をみて立った角の酒屋をあたり、わたしともう一人の連れとはもう一けんのほうの伊勢屋という店をあたってみることにした。
が、何としても雲をつかむようなたずねごとである。何といって訊いていいものかと思案した。結句、わたしは、以前そうした古い店があったと聞いたがと前置して、石橋の田村やの所在をまず訊いてみた。主婦とみえる五十恰好の人がそれならあの時計屋のあるところがそうだと反対の側の、やや揚屋町のほうに近い見当をすぐさし示してくれた。