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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

しているところを覗いたりすると、いやな顔をして、

「いやな人ね、人のお金なんぞ覗くもんじゃないわよ。そっちへ行ってらっしゃい。」

などと邪慳な口の利き方をした。

この姐さんは年ももう二十一だし、美しくもあり芸もあるが、腕も凄いのだと銀子は思うのだったが、どうすれば腕が凄くなるのか、想像もつかなかった。

抱えの大半が東京産まれだったが、そのころは世界戦後の好況がまだ後を引き、四時が鳴ると芸者は全部出払い、入れば入ったきり一つ座敷で後口もなく、十二時にもなると揃って引き揚げ、月に一度もあるかなしの泊りは、町はずれの遊廓へしけ込む時に限るのだった。

翌日の午後マダムは寝台車で病院へ運ばれ、お気に入りの銀子もついて行ったのだったが、病室に落ち着いてからも、忙しい呼吸をするたびに、大きい鼻の穴が一層大きく拡がり、苦しそうであった。その日も銀子は、一昨日の晩のことが夢のように頭脳に残り、親爺と顔を合わすのがいやでならなかったが、彼は何とか言っては側へ呼びつけたがり、銀子が反抗すると刃物を持ち出して、飼犬に投げつけたり、抱えたちの床を敷くと、下座敷は一杯で、銀子は一人の仕込みと二階に寝かされることになっていたが、ひどく酔って帰って来る晩もあって、ふと夜更けに目がさめてみて、また失敗ったと後悔もし、憤りの涙も滾れるのだっ