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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

の低級なのが多く、抱えが生半可に本なぞ読むのは、この道場の禁物であり、ひところ流行った救世軍の、あの私刑にも似た暴挙が、業者に恐慌を来たしていた時代には、うっかり新聞も抱えの目先へ抛り出しておけないのであった。法律で保護されていていないような状態におかれていた時代は永く続き、悪桂庵にかかり、芸者に喰われても、泣き寝入りが落ちとなりがちな弱い稼業でもあった。人々は一見仲よく暮らしているように見えながら、親子は親子で、夫婦は夫婦で相喰み、不潔物に発生する黴菌や寄生虫のように、女の血を吸ってあるく人種もあって、はかない人情で緩和され、繊弱い情緒で粉飾された平和の裡にも、生存の闘争はいつ止むべしとも見えないのであった。

銀子も貧乏ゆえに、あっちで喰われこっちで喰われ、身を削いで親や妹たちのために糧を稼ぐ女の一人なので、青年八百屋が彼女のために、何となしにジャン・バルジャンを読ませようとしたのも、意識したとしないにかかわらず、どこか理窟に合わないこともなさそうであった。

銀子は主人や婆やの目を偸みながら、急速度で読んで行った。

「一片のパンから、こんなことになるものかな。