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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

「近いうちまた来る。今日は少し用事があるから……。」

と、二時間ばかり附き合って帰って行ったのだったが、今にして思うとそれが見会の帰りでもあったであろう、と銀子はやっと気がつき、その時の倉持の素振りを追想していた。

「してみるとやはり真実なのかな。」

銀子はまたしても自分の迂濶に思い当たり、大きな障害物にぶつかったような気持で、どこを洗っているのか浮の空であった。寿々千代はそれ以上は語らず、一足先へあがって行った。

銀子はやがて家へ帰り、どこかに今朝の新聞があるかと、それとなく捜してみたが、お神がわざと隠したものらしく、どこにも見えず、訊くのも業腹なので、そのまま塩釜の土産の菓子折をもって、小谷さんのところへ行ってみた。

夕方から倉持も宿坊にしている銀子の入りつけの家で、二た座敷ばかり廻っているうちに、女中からもそのことを言われて、町中みんながとっくに知っており、知らぬのは当の自分だけだと感づき、客たちの目にさえそれがありあり読めるように思えて来た。

とにかく記事を読んでみようと思い、お座敷の帰りに、角の煙草屋で朝日を買い、今朝の新聞があるかと訊いてみた。