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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

ことになった。

「お前、明後日の切符を三枚取っておいておくれ。」

若林は銀子の晴子に命じたが、銀子にはその金がなかったので、引き受けることもできず、もじもじしていた。

「金あるだろう。」

株屋とはいっても、彼はまだ年が若く、世間知らずであった。

「お金ないのよ。」

「この間やった金、もう無いのか。」

「買いものして、みんな使っちゃいましたわ。」

「何を買ったんだ。」

「……………。」

「お前は金使いが荒いね。」

若林は不機嫌そうに言ったが、お神はあの翌朝晴子が親の家へ行ったことを、春よしのお神から聞いていたので、じきに察しがつき、若林の顔に暗示的な目を注いだ。若林も晴子が孝行芸者だという触れ込みで、最初呼んでみる気になったので、お神の意味がわかり、なるほどそうかと言った顔で頷いていた。

「だからね。やっぱりそうなんですよ。」

若林も一般俗衆のように、親孝行には頭の上がらない好人物の一人で、世間の親というものについても皆目無知であり、善悪の観念もはっきりしなかった。それに比べると、銀子には親を見る目もようやく開けかけており、感傷のゆえに親に尽くすのとは違って、かかる醜悪な職業に従事する女の恥辱の、心のやり場をそこに求めているのであった。