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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

異性の魅力――彼はそれを今までそんなに感じたこともなかったし、執着をもったこともなかった。

「おばちゃんどこへ行ったの?」

咲子がきいた。

「さあね。」

ちょうど彼女が宿泊していた旅館の前も通りすぎて、彼は三丁目の交叉点へ来ていた。旅館の前を通る時、そこの二階の例の部屋に彼女と子供がいるような気もして、帳場の奥へ目をやって見たのであったが、そこを通りすぎて一町も行ったところで、ちょうどその時お馴染の小女が向うから来てお辞儀をした。彼女も葉子と同じ郷里の産まれで、髪を桃割に結って小ばしこそうに葉子の用を達していたものだが、お膳を下げたりするついでに、そこに坐りこんで、小説や映画の話をしたがるのであった。後に葉子ともすっかり遠くなってしまってから、彼は四五人のダンス仲間と一緒に入った「サロン春」で、偶然彼女に出遭ったものだったが、二三年のあいだに彼女はすっかり好い女給になっていた。

「葉子君んとこへ行かなかった?」

「梢さん? いいえ。お宅にいらっしゃるんじゃないんですか?」

何か知っているのではないかと思ったが、そのままに別れた。

この辺は晩方妻とよく散歩して、庸三のパンや子供のお弁当のお菜や、または下駄とか足袋とか、食器類などの買い物をしつけたところで、愛相のよかった彼女にお辞儀する店も少なくなかったが、葉子を