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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

」

庸三は苦笑して、

「耳が痛いね。」

「いいえ、男の方はいいんですよ。男の方はいくらお年を召していらしても、決して可笑しいなんてことはありませんね。」

そうしているうちに、彼は何か食べたくなって来た。妻を失ってから、彼の食膳は妻のやり方を長いあいだ見て来ただけの、年喰いのチビの女中のやってつけの仕事だったので、箸を執るのがとかく憂鬱でならなかった。

「銀水と浪花屋とどっちにしましょうか。」

「そうね、どっちも知らないけれど……。」

「浪花屋の方が、お値段はお恰好な割りに、評判がいいようですから。」

庸三は鮎の魚田に、お椀や胡麻酢のようなものを三四品取って、食事をしてから、間もなくタキシイを傭ってもらった。

ある朝庸三は、川沿いのその一室で目をさました。忙しいモオタアや川蒸気や荷足の往来が、すでに水の上に頻繁になっていた。

昨夜彼は書斎の侘しさに、ついタキシイを駆ったものだったが、客が二組もあって、小夜子も少し酒気を帯びていた。庸三は別に女を呼ぶわけではなかった。ずっと後に、友達と一緒に飯を食いに行く時に限って、芸者を呼ぶこともあったが、彼自身芸者遊びをするほど、気持にも懐ろにも余裕があるわけではなかった。