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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

座敷を一つ二つサアビスして廻ると、きまって酔っていた。呷ったウイスキイの酔いで、目がとろんこになり、足も少しふらつき気味で、呂律も乱れがちに、でれんとした姿で庸三の傍に寄って来ることもあった。

「相当なもんだな。」

庸三は無関心ではいられない気持で、

「随分呑むんだね。そう呑んでいいの。」

「大丈夫よ、あれっぽっちのウイスキイ。私酔うと大変よ。」

「お神さん!」

廊下で呼ぶ声がする。

「今あの人たちみんな帰りますから。」

しかし、そんな晩、彼女がどこで寝たかも彼には解りようもなかったし、何か商売の邪魔でもしているような気もして、彼はタキシイを言ってもらうのだったが、時には電気行燈を枕元において、ギイギイという夜更けの水の上の櫓の音を耳にしながら話しこむことも珍らしくなかった。

ある日も庸三は小夜子と一緒に、彼女の門を出た。

「先生、今日お閑でしたら、神田まで附き合ってくれません? 私あすこで占てもらいたいことがありますの。」

「いいとも、事によったら僕も。――君は何を占てもらうんだい。」

「差し当たり何てこともないんですけれど、私、妙ね。随分長いあいだの関係で、昔は一緒に世帯をもったこともありましたの。