輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

熱海へでもドライブしようかとも考え、家へ帰って書斎に寝た方が楽しいようにも感じた。

石塊の多い道を、車はガタガタと揺れながらスピイドを出した。庸三は時々転がりそうになったが、風も吹いていたので、揺れる拍子に窓枠に頭をぶちつけそうになって、その瞬間半分ガラスを卸してあった窓から帽子が飛んでしまった。ちょうどわざと飛ばしたように。

「君ちょっと帽子が飛んじゃったんだ。」

運転士は車を止めて風の強い叢のなかに帽子を捜したが、しかしそれも物の二分とはかからなかった。

駅の灯が間近に見えて来た。そして今ちょっとのところで駅前の広場へ乗り入れようとした時、汽車の動く音がした。

庸三は何か悪戯でもしたようなふうで部屋へ戻って来た。

「先生オレンジをそう言って!」

やがて葉子も寝床から起きあがった。

入院するまでに葉子の支度はかなり手間取った。ちょうど婦人雑誌に小説を連載していたところなので、それも二月分ためる必要があったし、瑠美子には何か花やかな未来を約束しておきたかったので、差し当たりいつも新しい道を切り開いて、世間の気受けもいい舞踊家の雪枝に、内弟子として住みこませたい念願だったので、支度が出来次第、それも頼みに行かなければならなかった。