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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

線上閱讀徳田 秋声《現代日本文学館8 徳田秋声(しゅくず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 327,364 字 · 638 頁

青空文庫

去年の秋もたけなわなころ、まだ手術を思い立たない前の彼女をつれて、箱根までドライブしたことがあった。夜も大分遅くなって、痔に悩んでいた彼女はクションの上に半身を横たえてぐったりしていたが、九時ごろに宮の下のある旅館の前へ自動車を着けさせてみると、酒に酔った学生たちが多勢、上がり口に溢れていてわあわあ言っていたので、庸三はにわかに怖じ気づいて、いきなりステップを降りかけようとしてまたクションに納まろうとした。そして運転士に方向を指そうとした途端に、四五人の学生はすでに車の周りを取りまいてしまった。

「××博士もいられます。あなたに遭いたいそうですから。」

押問答をしているうちに、一人の青年がそう言って庸三を勧説した。彼は頑固に振り切るのも潔くないと思ったので、彼らの好意に委せることにした。彼らは不意に目の前に現われた二人を弥次っていなかった。むしろその反対に「こんな恋愛を攻撃するのは封建思想ですよ。大いにおやんなさい」と言って、玄関へ上がって行った葉子を取りまいて、万歳を叫びながら胴あげしていた。庸三はきまりが悪くなって、その隙にするするとそこをぬけて、番頭の案内で、二階の一室に納まったが、やがて部屋へ入って来た葉子の疲れた顔にも、興奮の色があった。