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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 猿回し(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,671 字 · 252 頁
「岡っ引きを屁とも思わないわけだな」
「もっとも、内儀のお余野は別ですよ。長い間の客商売で馴れているから、妙に甘ったれた調子で引留めましたよ」
「亭主が戻ったら、急にそっけなくなったろう。もう用心棒も要らなくなった頃だ」
「そうでもありませんよ、あのお内儀の愛嬌は性分ですね、――もっとも、あんな商売は止し度い、止し度いと言って居ますが、役者崩れの亭主が好きで始めた水商売で、お内儀の一存でも止せない様子ですね」
八五郎の話は、ひどく筋が通ります。
「一人一人の様子から訊いて行こう。先ず、お半というのはどうだ、変ったことは無いのか」
「あっしの機嫌なんか取るような、素直な女じゃありませんよ、二十一だというのに、男を男とも思やしません」
「お房は?」
「良い女はお世辞の無いものですね。五人のうちでは一等の美人で、何んとなくツンとして居ますよ」
「お六は?」
「お世辞なんか言える柄じゃありません。もっとも無口で正直者だから、世帯は持てそうですが」
「祭は?」
「同じ屋根の下に住んでいると、一番可愛らしい娘ですね。自分が綺麗だということさえ知らないような、――もっともまだ十七の小娘ですが」