輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 猿回し(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,671 字 · 252 頁

青空文庫

銭形平次捕物控

【第一回】

一

【第一回】

一

その晩、出雲屋の小梅の寮は、ハチ切れそうな騒ぎでした。

出雲屋の主人、岩太郎が、野幇間の奇月の仲人で、新たにお滝という召使を雇い入れ、その御披露やらお祝やらを兼ねて、通人出雲屋岩太郎が、日頃昵近にして居る友達や、お取巻の面々を、小梅の寮に招き、一刻千金と言われる春の宵を、呑んで騒いで、頃合を見計って船と駕籠で送り返そうという寸法だったのです。

多寡が召使を一人雇入れるのにと思う人があるかも知れませんが、これは毎年三月になると交代する、一季半季の召使ではなく、家付の女房が死んでからは、金と時間とが有り余る出雲屋が、江戸何大通の番付尻を汚す手前、取換引替え蓄えた妾の一人で、既に神田鎌倉町の本宅には、お峰という美しい妾があるにも拘らず、向島の寮にはもう一人の妾、お滝という十七になったばかりの、お人形のように可愛らしい妾を入れることになったので、今夜はその披露の宴を開こうという、世にも人にも憚らぬ、不思議な催しだったのです。

客は仲人役の奇月、恐ろしく下手な雑俳と、妾の世話と、剃り丸めた自分の頭を叩いて、変な音頭を唄う外には取柄の無い五十男。