輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 猿回し(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,671 字 · 252 頁

青空文庫

が、この高貴さと、物柔らかさが、当時の荒っぽい旗本の次男三男の間から、爪弾きされたことは想像に難くなく、極端な無抵抗主義が因をなして、「腰抜け」という、有難からぬ綽名まで頂戴したのでしょう。

「ところで、お伺いしますが」

「?」

「歯に衣着せずに、私が聞いた通りの世上の噂を取次ぎますが――」

「あ、いいとも、――私は腰抜けで意気地なしで、母の仕送りを受けながら、恋文ばかり書いて居るという噂だろう」

彌八郎は先を潜ってこう言うのです。その青白い顔には、苦悶と苦笑と、そしてほのかな軽侮の匂うのも、なかなかに含蓄の深い表情でした。

「まァ、そんなことで」

「銭形の親分がそう思う位だから、世間の人がそう見るのは、誠に已むを得ないことだよ」

「――」

「実はな平次親分、私は少しばかり道楽があるのじゃよ。三十一文字だ、歌を作ると言ったほうが早くわかるだろう」

「へェ? 丹波様が」

「それも親の気に入らぬ、一つの癖であったが、今更この道を思い断って竹刀を握るわけにも行かない」

「成程ね」

「それが、此処に住むようになってから、お隣交際で、何時の間にやら、若い娘達と懇意になり、お萩と祭に、歌を作ることを教え込み、この半歳ほど前から、折々に添削をしてやっているのだよ。