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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 猿回し(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,671 字 · 252 頁
「何が何でも、その先は訊かなきゃなりませんよ、御新造、――お嬢さんのお照さんは、御新造と間違えられて殺されて居るんだ。曲者を庇って、知ってることも打ち明けなかったら、御新造の身代りになって死んだ、お照さんはどう思うだろう」
平次は日頃にもない説教になりました。この慎み深い女を説き落すためには、こうでも言う外はなかったのです。
「申します、親分さん、――二階から私を突き落したのは、間違いもなく女――赤い裾裏が、階子を落ちる私の眼にも、チラリと見えました」
階子段が十幾つ、上から下まで、一気に転がり落ちたお通の眼に、それを突き落した者の、赤い裾裏がチラリと見えたということは、あるいはあり得ることかもわかりません。
「赤い裏?」
この家に女は、お照が死んでしまえば、姪のお雪と、下女のお新の二人だけ、お雪は淋しいが素直な良い娘、下女のお新は相当のやり手で、気象者らしくもありますが、一寸見はなかなかの良い年増です。
「――」
お通は又黙り込んでしまいました。まだいろいろの事を知っている様子ですが、その先はさすがに打あけ兼ねるのです。
「御新造、遠慮することはあるまい」