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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(三)酒屋火事(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,725 字 · 298 頁

青空文庫

「すると?」

「この騒ぎは最初から間違いだらけさ、――お駒が新助の射た矢に当って死んだのなら、松五郎に新助を怨む筋もあるが、――お駒は人に殺されたと解ったら、松五郎も縄まで打たれて喜んじゃいないだろう」

「えッ、お駒は人に殺されたと言うんで?」

重吉は仰天した。平次の言うのがあまりにも桁外れです。

「その通りだ、――物置の羽目板に立った矢を抜いて、お駒の喉笛へ突っ立てた奴が居るんだ。現場でその証拠を見せてやろう」

「…………」

平次はガラッ八と重吉を従えてもう一度植木屋の庭へ入りました。

「それ見るがいい。物置の羽目には、この通り矢の突っ立った跡が沢山ある。隣の庭で弓が始まるとお駒はここへ来て矢文を待っていたんだ」

「…………」

「を越して、この羽目へ射込むには、坊主矢じゃ駄目だ。新助が本矢鏃を使ったのはそのためさ」

「…………」

「ところで、ここに居るお駒をそっと殺せるのは、母親のお辰と父親の松五郎と姪のお雪の外には、ない。――お雪では、矢で人を突き殺せる力が無いから、俺は最初、松五郎じゃないかと思った。あれは女房の連れ子で本当の娘じゃないから、殺しておいて新助のせいにすれば、相模屋から百や二百は強請れる」