輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(三)酒屋火事(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 146,725 字 · 298 頁

青空文庫

藤助が横から口を出しました。

「何が大変なんだ。言ってみるがいい」

と笹野新三郎。

「あの方と、ここの御主人とは元同じ藩中で、――あの方は、御主人を仇のように思い込んでいる様子でございますが――」

藤助はよくよく口数の多い男でした。

「仇?――それはどういうわけだ」

「詳しいことは解りませんが、よっぽど怨みがあるようで――」

笹野新三郎はその答が不満足らしく、振り返って、平次の顔をチラリと見ました。が、平次はそんな話には大した興味も感じないらしく、狭い――といっても、茄子の二うねぐらいは作れそうな小さい畑の先、ちょうど隣の板塀の前に植えた、厚いが疎らな生垣のあたりを見ておりました。

「旦那、変じゃございませんか」

「何が?」

笹野新三郎もさすがに平次の疑いの原因には気が付きません。

「今朝、その辺を歩きゃしなかったかね、鼓の親分」

平次は狭い畑のあたりを指しながら、鼓の源吉に訊ねました。

「いや、誰も」

源吉はすっかり平次にリードされて、自分の意見を樹てる工夫もない様子です。

「昨日の朝雨が降ったはずだ。――畑の端っこに、あの生垣のところまで行った足跡が沢山あるが、――おやおや、庭下駄と跣足と滅茶滅茶に入り乱れている」