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げんだいやくろんご
現代訳論語
下村 湖人
Read 現代訳論語 (げんだいやくろんご) by 下村 湖人 (しもむらこじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 127,327 characters · 256 screens
一三(四四七)
一四(四四八)
一五(四四九)
」
一三(四四七)
先師がいわれた。――
「郷党のほめられ者の中には、得てして、道義の賊がいるものだ。」
○ 原文「郷原」の「原」は「愿」に同じ。「愿」は謹厚を意味する。ここでは、周囲の人々に調子を合せ、批難をうけないように細心の注意を払つている人。日本の田舎でも、人格者などといわれている人の中に、こうした種類の人がよくあるものである。いや田舎だけではない、行政官などの中にも、こうした意味での謹直型の人は決して少くはないだろう。「郷原は徳の賊なり」――この言葉は、日本の各方面にもつと広く流布されてもいい言葉ではあるまいか。
一四(四四八)
先師がいわれた。――
「途中でよいことをきいて、早速それを途中で人にいつて聞かせる。それでは徳を棄てるようなものだ。」
○ 原文の「道聴塗説」は熟語として通用している。
○ 孔子は、実践も出来ないくせに、論語の現代語訳などやるのは徳を棄てるのも甚しいものだと、叱つているわけである。
一五(四四九)
先師がいわれた。――
「心事の陋劣な人とは、到底いっしょに君に仕えることが出来ない。そういう人は、まだ地位を得ないうちは、それを得たいとあせるし、一旦それを得ると、それを失うまいとあせるし、そして、それを失うまいとあせり出すと、今度はどんなことでもしかねないのだから。